私はお金を増やしたい。みんなもきっとそうだ。
そうでなければ、「お金の増やし方」みたいな情報がネット上に溢れかえることはないし、お金の増やし方のノウハウの書籍が本屋にたくさん並ぶこともないでしょう。
では何のためにみんなお金を増やしたいのでしょうか?理由は様々あるでしょうが、私の理由をあげると以下の様な感じです。
- 将来に備えて、少しばかり貯蓄を増やして投資・運用にも回したい
- 古くなったクルマがそろそろ買い替えのタイミング
- 色々な場所を旅行してみたい
- たまには贅沢して美味しいものが食べたい
このところのコロナ不況で、フリーランスの仕事が減って焦ってないと言えば嘘になりますが、生活に困窮していて今すぐお金が必要というわけではありません。余裕こそないけど、もう少し自由に使えるお金があったらいいなと言ったところでしょうか。
お金を増やすには現実的な思考と整理が必要
友達や仲間とお金を増やす話をすると、入ってくるお金を増やすことばかりに話題が集中しがちです。自分ですら「現状の生活を維持したまま収入がプラスになる方法がないか?」という、非現実的で願望にも似た甘い考えをしてしまいます。確かに入ってくるお金が増えるのは非常に分かりやすい。
現実はそんなに甘くはない!
例えば、正社員で働いていて現在月30万円の収入があったとします。これを10万円増やして月収40万円にしたい場合、どうやって実現しますか?
残業を増やして稼ぎますか?残業して月収を10万円増やすのであれば、プライベートの時間を大幅に犠牲にして稼ぐ必要が出てきます。睡眠を削って働けますか?家族がいれば家族との時間も犠牲になります。
または、副業をして稼ぐ方法もあるでしょう。副業をするのであれば、休日や就業時間外で働く時間を確保する必要があります。時間外に副業するだけの時間は確保できますか?会社にいる時間を減らせますか?やっぱり睡眠を削って働くのですか?
収入を増やすことを現実的に考えてみても、そこには案外厳しい現実が見えてくるのです。そして生活を現状維持して目指すことは到底難しく、厳しい生活やライフスタイルの見直しが求められるのです。
最も簡単にお金を増やす方法は節約
どうせ生活の見直しをするのであれば収入を増やす方法よりも、まずは支出を減らす事にフォーカスした方が遥かに簡単です。なぜなら生活上の支出を細かく見直すと、大概は無駄なものが見つかるからです。
奇跡の業績回復を遂げる経営者
少し大げさな話ですが、会社経営を例に見てみましょう。
有名な会社が倒産の危機になり、敏腕経営者に白羽の矢が立って交代、奇跡の回復をしたなどと話題になったりします。そこから短期間で業績が回復して「カリスマ経営者」としてもてはやされます。
実は倒産の危機にある会社の新しい経営者は、やることが非常に明確で決断を下しやすい。単純にリストラをすれば良いからです。リストラと言うと「人員削減」と思われるがちですが、それは一つの側面でしかありません。
リストラクチャリングは英語で「再構築」の意味。経営者が最初に着手する再構築はまずはコスト構造です。徹底的に今までのコスト構造の無駄を見直して支出を減らします。結果として赤字の事業を撤退して「人員削減」が行われることもあるでしょう。会社としては損が出る事業をやり続ける意味はないのです。
実際に、単純にリストラを進めただけで黒字化できる会社は意外と多くあります。どんなビジネスでも一番簡単に利益を増やす方法は、まずは支出を減らすことなのです。
生活における家計の収支も同じ
会社経営がそうであるように、個人の生活でも支出を減らすことは「お金を増やす」ためには非常に有効な手段です。私自身も大きく支出を減らすことで、自由に使えるお金を増やすことができました。それは5年ほど前に通信費のリストラを行うことで実現しました。
私の通信費の見直し
- 携帯電話料金の圧縮
当時は大手キャリアで、私と妻と子供で計3台の携帯電話を契約していました。すべて大手キャリアからMVNO(格安SIM)に契約を変更。
変更前料金 : 月額 27,000円
変更後料金 : 月額 9,000円
月間18,000円、年間216,000円の節約 - インターネット回線の変更
地元ケーブルテレビ(CATV)が提供する高速インターネット回線の契約をしていました。こちらはMVNO(格安SIM)と同じ会社のフレッツ光系に契約変更。携帯電話と契約先を一本化することで割引も適用されました。
変更前 : 月額 5,700円
変更後 : 月額 4,000円
月間1,700円、年間20,400円の節約 - ケーブルテレビ・有料動画視聴料の見直し
まだ映画やアニメなどの動画を配信するサービスが今ほど充実していなかった頃に、自宅で楽しむためにケーブルテレビと映画専門の有料チャネルに加入していました。全て解約して、好きな時にオン・デマンドで楽しめる動画・音楽のサブスクリプション型サービスへと切り替えました。
変更前 : 月額 5,200円
変更後 : 月額 1,980円
月間3,220円、年間38,640円の節約
中堅サラリーマン給料の1カ月分を捻出!
合わせてみたら総額月間22,920円、年間で275,040円の節約になりました。これは、中堅サラリーマンの月収に匹敵する金額です。通信費を節約しただけで!
このことで生活のクォリティが下がったかと言えば全く逆です。それぞれのサービスを厳選して本当に必要なものに絞り込んで見直したため、各サービスのクォリティは落とさず、アップデートされてむしろ上がったぐらいに感じてます。
なぜ節約は難しいと思われるのか?
ここまで大きく節約できた話をしましたが、世間一般では節約は苦労を伴ったり、生活の質が下がったりと、マイナスイメージが非常に強いと感じます。これは恐らくそういった思い込みが強すぎることや、節約が最も難しいところから手を付けているパターンが多いからと思われます。
生活の質が下がるところから着手しがち
節約と言うと、今までやってきた好きなことを闇雲に我慢することから入りがちです。例えば「好きな飲み食いのコストを減らす」、「趣味を我慢する」、「煙草をやめる」など、好きなこと=無駄遣いという思い込みから来るものなのでしょう。
いかにもストレスがたまって、生活の質が下がるところから手を付けるようなものです。そもそも好きなものを我慢するなんてよほど意志が強くないと続きません。好きなことはやめてはいけません。普段あまり意識せずに生活にかかる費用を賢く見直しましょう。
せこくて器が小さいと思われたくない
よく耳にするのが「節約なんてせこいことを考えるな、ガツンと稼げ!」みたいな話ですね。もちろん将来的には収入を増やしていくことも大切で間違ってはいません。
しかし、そもそも生活費の中に無駄に払ってるお金があることに変わりはありません。それを見直しもせずに忙しく働くのでは、無駄のために働いてるようなもの。そんな決めつけは捨てて、賢くお金を増やしましょうと言っているのです。
節約は面倒くさくて後ろ向きという思い込み
お金の管理というのは確かに細かい作業で面倒であることは否定しません。しかし、お金は生活に必要な道具の一つ。仕事の道具と同じ様に、最低限の管理とメンテナンスが必要です。お金を少しだけでも管理することで、気持ちよく使うことも可能になるのです。
例えば色々なサービスを解約する作業は気が乗らないでしょう。過去の自分の決断を見直すのだから、いわば「失敗」と向き合う「後ろ向き」なことに感じるかもしれません。でもそれは「失敗」ではなく当時は良かったものでも、今は世の中が変わって不必要になったものかもしれません。実際に見直してみると、これほどスッキリする前向きな作業は他になかなかありません。
見直せるコストはきっとある
もし今まで節約をあまり意識して来なかったり、生活コストの見直しをしたことがなければ一度やってみることをお奨めします。生活コストの見直しを日々行っている人は別として、やったことがなければ何かしらの成果が上がると思います。
近年は電気やガスも自由化されました。我が家でも電気とガスは新規事業者に切り替えをすることで、それぞれ平均1カ月分ほどの料金が節約できました。さらに普段から利用しているポイントサービスにも毎月ポイントが貯まる様にもなりました。
お金を増やしたいなら、増やすための下地作りを!
もちろん私の様に、大きな節約ができるとは限らないでしょう。しかし、このコストの見直しこそ、収入を増やす戦略をこれから取るのであれば最初にやるべきこと。お金を効率よく増やしたいのであれば、まずは無駄を省いて稼げる体質を作っておくべきです。
支出の見直しはお金を増やす上では、最も基本的で簡単な方法です。このことが理解できれば、成功への第一歩は踏み出せたようなものです。