業務スーパーはメキシコの食材の取り扱いがあり、テクス・メクス料理(アメリカのメキシコ料理)に使えるものをソコソコ揃えられます。
面白い輸入食品がないかと物色していたところ、缶詰のレッドキドニービーンズ(赤インゲン豆)を見つけたので久しぶりにチリコンカルネ(Chili Con Carne)を作りたくなりました。今回作るのはアメリカで「チリビーンズ(Chili Beans)」として広く知られるスタイルのもの。
私がこの料理を初めて食べたのはアメリカに住んでいた十代の頃、友達の家に遊びに行って昼ご飯にご馳走になった時でした。刻んだ生たまねぎとチーズがトッピングされてて、凄く美味しく感じたのを覚えてます。日本ではファストフードチェーンのウェンディーズでサイドメニューとして売られている「ウェンディーズチリ」でご存じの方も多いのではないでしょうか?
チリコンカルネの発祥
チリコンカルネ(Chili Con Carne)は19世紀中頃の南テキサスが発祥地と言われてます。テキサスは元々はメキシコ領だったこともあり、今でもメキシコの文化的な影響が色濃く残る土地です。
この料理がテキサスからアメリカに広がったのは19世紀末頃、そして広がるにつれて色々な変遷をたどった様です。現在の広く知られている挽肉、豆、トマトが入ったものは、テキサス州ではなくオハイオ州のシンシナティでホットドッグ屋台を営むギリシャ系移民がスパゲッティと一緒に豆やチーズをトッピングしたのが原型と言われてます。
実は本場テキサスのチリコンカルネ(Chili Con Carne)は、豆もトマトはおろか、挽肉でもなく牛の塊肉で作るビーフシチューのようなもので、今でも豆を入れることは「冒涜」とすら言う人もいるほど(笑)
豆とトマトが入ってアメリカの国民食に
当時の豆を合わせたのがよほど受けが良かったのか、アメリカで広く知られるチリコンカルネ(Chili Con Carne)のレシピには1920年代には豆が入るように、1940年代にはトマトが入るようになって、現在の「チリビーンズ(Chili Beans)」のスタイルが確立されたと言われてます。
ちなみにこの豆とトマトが入ったチリコンカルネ(Chili Con Carne)が、日本では「チリコンカン」と呼ばれるようになった経緯を調べてみたところ不明だったのですが、アメリカ英語で「チリコンカーン」と発音する人もいるので、それが日本では定着したのではないかと思います。
業務スーパー食材で作る本格チリコンカルネ
この料理は大学生の頃から、アメリカの味が恋しくなった時に輸入食品店で材料を入手してしょっちゅう自分で作ってました。テクス・メクス料理店の厨房で働いていたときは、今回のアメリカ風のチリコンカルネ(Chili Con Carne)はメニューにはありませんでしたが、今でも大好きな一品です。
今回業務スーパーで購入した食材は以下の3種類で、いずれも格安でした。
VESU Red Kidney Beans レッドキドニービーンズ缶詰 [400g] 108円(税抜)
GENKIYAMA 牛豚合挽ミンチ (冷凍) [400g] 297円(税抜)
4 STELLE Peeled Tomatoes in tomato juice ホールトマト缶詰 [400g] 78円(税抜)
チリコンカルネ(Chili Con Carne)の作り方(レシピ)
[材料]
レッドキドニービーンズ缶詰 [400g] 1缶
牛豚合挽ミンチ (冷凍) [400g] 1袋
ホールトマト缶詰 [400g] 1缶
ニンニクみじん切り 1片分
玉ネギ みじん切り 中1個
ピーマン みじん切り 1個
手作りシーズニング*
オリーブオイル 大さじ1
ブイヨンキューブ(固形コンソメ)1個
塩・黒コショウ 少々
*手作りシーズニングはあらかじめ以下のスパイスを別途用意しておきます。
[手作りシーズニング]
チリパウダー 大さじ1
クミン 小さじ1
パプリカ 小さじ1
オレガノ 小さじ1
ガーリックパウダー 小さじ1/2
オニオンパウダー 小さじ1/2
塩 小さじ1
黒コショウ 小さじ 1/4
※辛味がしっかり欲しい場合はカイエンペッパー 小さじ1/4を加えてください。
チリパウダーって何?
チリパウダーとはアメリカで作られた「メキシコ風」のミックススパイスで、唐辛子(カイエンペッパー)、クミン、オレガノ、ガーリックパウダーなどを調合したもの。たまに同じ「チリパウダー」の名称で唐辛子の粉のみが売られているのを見かけるので良く確認してから買いましょう。
オリーブオイル大さじ1にニンニクを加えて少し黄金色がつき始めるまで弱火で炒めます。
ニンニクに黄金色がつき始めたら玉ネギを入れて、中火にして半透明になるまで炒めます。
玉ネギが半透明になったらピーマンを入れてサッと炒めます。
冷凍合挽肉を入れて中火で炒めます。
肉は色が茶色く変わるまで炒め一旦火を止めます。肉から出た脂が多く感じればペーパータオルなどで吸って調整してください。
手作りシーズニングは入れる前に良く混ぜます。今回は子供が食べるのでカイエンペッパーは入れませんでした。
シーズニングを良く混ぜたら全体にかけます。
肉全体によく馴染むように混ぜます。
レッドキドニービーンズの缶詰は水に入っているので、ザルで水を切ります。
そのまま缶詰の水ごと入れるレシピもありますが、豆臭さいのが嫌なので自分は水を切ってます。
レッドキドニービーンズを入れます。
続いてトマト缶をそのまま入れます。
トマト缶の半分ぐらいの容量の水を入れます。
ブイヨンキューブを入れます。
火を点けて、ホールトマトを潰すようにしながら全体を良く混ぜます。煮立ったら弱火にして最低20分~35分ほど煮込んでください。
もっと短時間で完成させるレシピもありますが、自分は豆が柔らかく味が馴染んで豆臭さも抜けたものが美味しく感じるので、弱火でコトコト少し長めに煮込むのが好みです。
煮えたら最後に味見しながら塩と黒コショウで味を整えて完成です。
ライスと合わせて食べる
ライスと一緒に盛り付ける食べ方は日本以外でも人気です。カレーライスの様に、熱々の白ご飯に適量のチリコンカルネ(Chili Con Carne)を盛り付けて、トッピングにミックスチーズ、サワークリーム、トルティーヤチップスなどを添えます。
サワークリームがあればベストでしたが、今回は冷蔵庫のヨーグルトで代用しました(ヨーグルトの場合は水切りヨーグルトだとなお良い)。彩り用にネギとパプリカを振りかければ完成です。
多めに作って、密閉容器に小分けにして冷凍しておくと色々な食べ方ができるので便利ですよ。チリ・コン・カルネ(Chili Con Carne)はパンとの相性も抜群なので、トーストを添えるのも良いでしょう。また、ナチョスのトッピングとしても抜群に美味しいです。
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