マンタロー(Menthe à l’eau)はパリの夏を彩る風物詩

食べ物

私はフランスのモノが結構好きだったりします。

食、音楽、映画、アート、デザインなど文化的なものに惹かれることも多いですし(この話を掘るとマジで長くなるので別の機会に…)クルマもごく最近まで17年もの間フランス車に乗っていました

20年ぐらい前に両親は仕事の関係で1年ほどパリに住んでました。ちょうど結婚した頃でタイミングも良かったので、妻と二人で新婚旅行に両親の家に転がり込んで、パリの夏を2週間満喫しました。

みんなが飲んでる謎の緑の液体

そんな夏のパリに欠かせない飲み物があります。その名も「マンタロー」(Menthe à l’eau)。最初にその名を聞いたときは「マンタロー?万太郎?何それ?」という感じでしたが、カフェのテラス席で周りを見まわすと、現地人が何やら毒々しい緑色の液体を涼しげに流し込んでいる。言葉の意味もそのままで「ミント水」。

フランス人の友人に聞くとミントシロップを水(ミネラルウォーター)で割って飲んでいて、当地では愛されている飲み物だとか。薬っぽい味が好きで、ミント大好きな自分としては試さないわけには行きません。飲んでみると、見た目通りにチープな味ではあるのですが、甘すぎずなかなか爽やか。

そしてシロップと水(ミネラルウォーター)の割り加減次第ですが、甘すぎないぐらいでミントの清涼感を感じる濃さで飲むのはなかなか美味しい。めっぽう気に入ってパリからシロップを土産に日本に持ち帰り、日本人の友人に飲ませてみたら「モンダミン飲んでるみたいで無理」と言われたのもいい思い出(笑)

フランス流のミントシロップの飲み方

さて、このミントシロップはパリのスーパーマーケットならどこでも売ってます。

実際に私がパリで購入して日本に持ち帰ったものがコレ。”Teisseire Sirop Menthe Verte 75cl” です。そして、このミントシロップ(Sirop de Menthe)の飲み方は大まかに3通りになります。

マンタロー(Menthe à l’eau)

冒頭で紹介したミントシロップを水(ミネラルウォーター)で割ったもの。もっともシンプルで大人たちにも愛されている飲み方です。パリのカフェで頼むと、氷の入ってないシロップだけが注がれたグラスとミネラルウォーターの瓶が出され、自分で注いで飲みます。

ディアボロマント(Diabolo Menthe)

ディアボロとはシロップをリモナード(Limonade)で割った飲み物。ミントシロップを割った場合はディアボロマント、グレナデンシロップを割るとディアボロ・グルナディン(Diabolo Grenadine)と呼ばれます。リモナードは英語でレモネードですが、スプライト(Sprite)やキリンレモンの様なレモン/ライム味の炭酸飲料を指します。シロップと甘い炭酸飲料の組み合わせなので全体的に甘めですが、ミントの香りとの相性の良さもあってなかなか美味しいです。子供たちに愛されてる味です。

ペリエマント(Perrier Menthe)

フランスの炭酸水と言えばペリエ(Perrier)ですが、ミントシロップを炭酸水で割ったのものをこう呼ぶそうです。私の一番好きな飲み方はコレ。氷の入ったグラスにシロップを注ぎ、炭酸水を好みの量を注いで軽くステア。爽やかで最高です。

フランスではペリエよりも頻繁に見かける炭酸水のバドワ(Badoit)で割ったら、「バドワマント」と呼ぶのかと思いましたが、呼ばないみたい(笑)。 実はバドワにはミントの香りがついた商品もあるみたいで、検索してみたらそっちがたくさん出てきました。

日本で入手できるミントシロップ

私は夏になると、パリで覚えたこのマンタロー(Menthe à l’eau)の味が恋しくなります。日本では梅や赤紫蘇のシロップを作って割って飲むのが人気ですが、我が家でも両方作っているので、ミントシロップもこのラインアップに加えたい。

20年前の日本ではミントシロップが簡単に入手できなかったので、パリで買ってきたものが底をついてからは、何年も飲まずにいました。

あれから20年、意外にもミントシロップは身近なところで手に入りました。ある日、妻が我が家から徒歩圏内のカルディで見つけて買ってきてくれたのです。新婚旅行で私が毎日の様に飲んでいたのが、妻も懐かしかったのでしょう。

モナン グリーンミント・シロップ 250ml

フランスの代表的なカクテルシロップのモナン(Monin)。マンタロー(Menthe à l’eau)に使うシロップはグリーンミント・シロップで、カルディで250ml [25cl]のガラスのボトルが650円(税込)で売っていました。

味は正当なミントシロップという印象で、これを使えばパリで飲むマンタロー(Menthe à l’eau)がそのまま再現できます。シロップとしては、甘さもミントの香りも変に強調されている感じがなく、上品で優しくナチュラルな味わいです。色も原液は真緑で、薄めても薄緑になっていくだけ。

Le Sirop de Monin Menthe Verte/Green Mint

これでマンタロー(Menthe à l’eau)が毎日飲めるようになったのですが、カルディに売っているのは小さなボトルで値段もそれなりにする。そして過去にカルディで気に入った商品が、在庫切れや取扱中止で入手できなくなった経験が何度かあったので、ケチ臭くチビチビと飲んでました。本当は暑い日にパリジャン気取りで、喉を鳴らしながら豪快にゴクゴク飲みたい。

もう少し経済的で大きなボトルで入手できないかと探してみると、バーやカフェで見かけるモナン(Monin)の700ml [70cl]のボトルがありました。ネット通販では送料別の店ばかりで、送料込みで大体2,000円以上。送料無料で最安のアマゾンでも1,900円している。これではカルディで250mlボトルを3本買う方が安上がりじゃないか…

他のメーカーがないのか?

そんな状況もありモナン(Monin)以外の選択肢もないものかと調べてみたらありました。トラーニ(Torani)というメーカーのもので、飲み比べてみたいので買ってみました。

トラーニ フレーバーシロップ クレームドミント(グリーン) 750ml 

トラーニ(Torani)はアメリカのサンフランシスコのシロップのブランドで、カクテルにももちろん使えるのですが、フレーバーコーヒー用のシロップとして有名です。日本のカフェなどでもトラーニの瓶が並んでいるのを見かけます。

アマゾンで750mlのガラスのボトルを1,255円(税込)で購入しました。モナン(Monin)に比べて大分安かったので、即ポチしました。うははは!これなら毎日遠慮せずに飲める。(2021年6月現在は値段が上がって1,620円になってしまいました)

Torani Crème de Menthe Syrup

こちらのシロップはまずモナン(Monin)よりも真っ先に強い甘みを感じます。またミント感も強く、いわゆるメントールのスーッとする感じが少しします。良くも悪くもトラーニ(Torani)の方が味がハッキリしてます。色も原液は濃い緑ですが、薄めていくと青みがかった感じの薄緑です。ただ、ミント味が強烈というわけではなく、チョコミントアイスに近いミント感は、どちらかと言えばトラーニ(Torani)かな?という印象。

商品名のCrème de Mentheはカクテルの「グラスホッパー」にも使われる、アルコールが入ったミントリキュールと同じですが、トラーニ(Torani)はノンアルコールのシロップになります。

このCrème de Menthe、商品によってカタカナ表記がクレームド・ミント」「クリーム・デ・メント」「クレーム・ド・ミント」と色々とあって錯綜してますが、フランス語にもっとも近い表記にするなら「クレーム・ド・マント」が最も忠実だと思うのですが如何でしょうか(笑)

まとめ – 飲む以外の使い方

モナン(Monin)とトラーニ(Torani)の二つを比べて、ミントシロップとしてどちらが美味しいかというと、ミント好きな私としてはどちらも美味しいです。本当に好みの問題です。そして、私の様に、ガブガブ飲みたくてコスパを重視するならトラーニ(Torani)でも十分だと思います。

ただ、マンタロー(Menthe à l’eau)を初めて飲んでみたい方には、パリのカフェに近い味わいのモナン(Monin)の250mlボトルで始めてみるのがオススメです。好き嫌いのハッキリ分かれる飲み物だと思いますが、ミント好きならぜひ一度お試しを。

さて、ここまで飲み物として紹介しましたが、昨年の夏はトラーニ(Torani)を使って「ミント練乳かき氷」という食べ方もしました。悪くなかったのですが、チョコミント好きなので、次はチョコレート・シロップも合わせてみて、「チョコミント練乳かき氷」というのも試してみたいと思いました。

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